お知らせ

チッタスロー気仙沼スタディツアー 講演&「幸せ調査」報告その3 

気仙沼スタディツアー2日目の8月20日には、気仙沼市役所の菅原茂市長と気仙沼商工会議所会頭でNPOスローフード気仙沼の菅原昭彦理事長からお話を伺いました。

菅原茂市長のお話からは、復興や地域づくりとは単に「元に戻す」ことではなく、「どう生きるか」「どんな地域にしたいか」を考えることが大切だと学びました。また「海を生きる」というスローガンに込められた意味も教えて下さいました。自然や季節を感じながら自分らしい暮らし方を見つけることが、豊かさにつながるという言葉が印象的でした。

菅原昭彦会頭のお話からは、持続可能な地域には人や資源の循環、そして住民が誇りを持つことが欠かせないと学びました。スローシティやスローフードといった取り組みは、地域の価値を見つめ直すきっかけになると感じました。また、目的と手段を混同しないことも印象に残りました。スローシティ都市政策やスローフード運動はあくまで手段であり、持続可能な地域にすることが目的だと仰っていました。

私たちが前橋赤城地区で進める食のイベントや農作業もそれ自体が目的ではなく、スローシティを広めることや地域を動かす経験や知識を身につけることが目的だと再認識することができました。

これらのお話を通して、大学生として地域の大切な価値を知ることは、自分自身の暮らし方や将来どのように地域に関わっていくかを考える大きなヒントになると実感しました。

お忙しい中貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました🙇‍♀️

〇 「幸せ調査」

スローシティの理念「よく生きる」と気仙沼市の目標「暮らしやすさ(Well-being)」を結びつけ、市民の地域幸福度を可視化するための調査を行いました。

幸せ研究で知られる4因子――やってみよう因子(自己実現と成長)、ありがとう因子(つながりと感謝)、なんとかなる因子(前向きと楽観)、あなたらしく(独立とマイペース)――を幸せ測定の仮説にしました。そして幸せ4因子に関する質問項目を作成しました。

大谷海岸

インタビュー調査は、気仙沼市役所と海の市にて実施し、20代から80代までの男女(女性16名、男性14名)の計30名の方々にご協力いただきました。

その結果、幸せを感じる場所として特に多く挙げられたのは「海」でした。気仙沼は東日本大震災の津波により大きな被害を受け、堤防が高くなるなど、景観が大きく変わりましたが、それでもなお、海は気仙沼の方々にとっての日常の風景であり、心を落ち着かせたり前向きな気持ちにしてくれる、大切な拠り所であることがかいまみえました。

また「ありがとう因子」の話しも多くでてきました。「困っているときに血のつながりがなくても助けてくれる人がいて支えられているのはありがたい」(20代女性)、「少し家を空けただけでも心配してくれる人がいることがありがたい」(40代女性)、「震災で職を失った人が多くいる中で、いま普通に働けて普通の日常を送ることができるのがありがたい」(50代女性)といったようにです。

一方で、今回用いた「幸せの4因子」では捉えきれない幸せも見えてきました。このことから、幸せを測る指標そのものを改善していく必要性を感じています。

8/21の中間報告会

3日目の中間報告会では、これまでの調査内容を市民の皆さんに発表しました。会場では多くのご意見やご質問をいただき、今後の調査の改善点を見つけることができました。こうした対話を通じていただいた学びを、これからの調査に活かしていきたいと考えています。

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